【IT発信者情報開示と賠償請求】民間企業に対して、Google口コミ投稿に虚偽の書き込みがなされ売上が激減するため、犯人を特定して賠償請求を行った事案
依頼内容
一般民間企業に対し、ある匿名人物により、Googleマップのクチコミ投稿を中心に、「あの会社はブラックだ」「不正経理」「やらせ広告」「個人情報流出」などといった虚偽の書き込みが、毎日毎日、5つ以上のSNSで拡散されている。
新規顧客が大幅に減っており、一刻も早く対応しないと、会社の売上に取り返しのつかない損害が発生してしまうため、発信者情報開示の申立と投稿削除、さらに犯人に対して損害賠償請求をするとのご依頼内容。
対応と結果
直ちに、Google社を相手方として、Googleマップのクチコミ投稿に関して東京地方裁判所に発信者情報開示の申立て行いました。
Google社代理人によれば、電話番号は保有していないという回答であったので、同社のログイン情報(IPアドレスとタイムスタンプ)の開示を受けて、判明した経由プロバイダに対して、直ちに同じ東京地方裁判所に対して、投稿者の住所と氏名に関して発信者情報の保存と開示を求める裁判を提起しました。
上記の経由プロバイダから投稿者に対して開示に関する意見照会が送付された段階で、本投稿者に関するGoogleマップ上の全ての投稿が自主的に削除されました。
その後、最終的に東京地方裁判所から投稿者の住所、氏名の開示を命じる決定が下されましたので、不服申立期間を得て、経由プロバイダからこれら情報が開示されました。
そうしたところ、投稿者は、正に、依頼会社の同業他社であったことが判明しましたので、同社に対して、不正競争防止法違反、著作権侵害、名誉毀損、偽計業務妨害に基づき裁判を提起し、最終的に、被害賠償金として約1500万円で和解することができました。
弁護士のコメント
投稿者が、依頼会社の同業他社であったことには少々驚きました。
悪質な事案と考えられましたので、その後、同社に対する裁判では、同社役員も全員を被告として監督義務違反(任務懈怠責任)があるとして訴えました。
補足になりますが、発信者情報開示裁判では、Google社の代理人は、結構、本格的に争ってきます。これは、Google社のカリフォルニア本社の方針なのかもしれません。
ただ、Google社から提出される主張やロジックは日本の裁判例とは異なる要件を追加してきたり、毎回、同社からは膨大な証拠が提出されてきますが、中身としてはいつも同じような証拠であったりと、一つ一つ、関連性の有無を検証しつつ、反論すべきものだけ反論するという方針で十分だと思われます。
