【不正競争防止法違反・特許権侵害】主婦が発明した台所用品(シリコン製水切りざる)の類似品が市場に出回り、地裁で勝訴し、高裁でも裁判官から同様の心証が開示され、最終的に販売差止と賠償金の支払を受けた事案
依頼内容
依頼会社が、家庭の主婦が素朴なアイデアで開発した台所用品であるシリコン製水切りざる(特許登録、実用新案登録有り)を商品化して販売していたところ、競合会社が、異なる商品名で著しく類似した水切りざるの販売を開始したので、直ちに、販売停止と賠償金の支払いを求める裁判を提起するとの依頼内容。
対応と結果
本件事案では、放っておくと、競合会社の販売力からして類似品の方がますます売上が伸長し、依頼会社の真正品が市場から駆逐されてしまう懸念がありましたので、直ちに、裁判所(知財部)に訴えを提起して、不正競争防止法違反(同法2条1項3号)等に基づき、販売差止と損害賠償を主張して争いました。
第一審である地方裁判所(知財部)では、1年が経過しないで判決が出されて、被告である競合会社に多額の賠償を命じる判決が下されました。
第二審となる高等裁判所(知財部)でも、間もなく、高等裁判所から地裁判決と同様の理解をしているとの心証開示があり、最終的には、一審で判示された多額の賠償金を支払う内容で双方が和解して終了しました。
弁護士のコメント
弊所では、国内・海外を問わず、多数の知財案件を取り扱っていますが、本件事案は、短期間のうちに、極めて迅速且つ適切な対応が求められた案件として、非常に印象深く記憶に残っています。
このシリコン製水切りざるの登録特許と登録実用新案に関しては、競合会社から特許庁に無効審判の申立てが出されていましたので、侵害訴訟では敢えて特許権侵害等を請求の原因から落として、不正競争防止法違反のみを請求の原因として主張しました。
また、競合品は中国で生産されて国内に輸入されていましたので、税関におけるいわゆる水際措置の申立ても行いました。
いわゆる知財弁護士は、職人的な性質を有する面があり、裁判で争点となるであろう事項を想定して、裁判官に対して、正確で、強いロジックの構築が求められます。
不正競争防止法違反として訴状を作成する際は、基本的形態と使用時形態をどのように特定するかという点に、フォーカスしました。
本件事案では、競合会社が類似品の販売を開始した後、これ以外にも、非常に多くの会社が別の類似品の販売をし始めました。その結果、これら類似品の販売価格は急激に低下し、最終的には、百円ショップでも販売されるようになってしまい、正に、「雨後の筍(たけのこ)」のように、次から次へと類似品が市場に登場するようになりました。弊職からは、その都度、これらに対して内容証明郵便を送付して販売を停止させると共に、販売を停止しない会社に対しては躊躇することなく裁判を提起しました。
本件は、発明者である主婦の方と依頼会社のため、非常に良い解決をすることができましたので、代理人弁護士として役割を果たせました。
