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【インドにおける合弁設立案件】インド国において内容の不明な現地合弁事業の設立を是正させた案件

依頼内容

依頼者である日本企業は、これまで、現地パートナーである販売代理店(インド企業)に対して製品を輸出するという取引関係があったが、今般、インド国内における製品市場の拡大を目指して50:50にて現地合弁会社を設立することになったため、これを適切にマネジメントするという依頼内容。

対応と結果

これまで日本企業が現地パートナー(インド企業)から受けた説明によると、インド国内に現地合弁会社を設立して、日本企業というブランド名でインド国内の市場展開を図りたいとのことでした。

弊所において、現地パートナー(インド企業)のロイヤーから提供された合弁契約のドラフトを精査してみると、新たな現地法人(合弁会社)を設立するのではなく、現状の現地パートナー(インド企業)のグループ会社の一つの中に、その一部門として、「合弁事業体」を設立する、という内容になっていました。
不審に思い、この点を、現地パートナー(インド企業)側のインド人ロイヤーに問い合わせたところ、その方が現状のグループ会社の人的・物的資源をそのまま活用できるので便利である、組織内であっても合弁事業体として独立採算にするので問題ない、等の説明でした。

しかしながら、資本(株式)による支配権も確保することなく、単に、相手方パートナー企業内の一部門を組成するに過ぎないとなると、結果的に、出資(Equity)と称して単なる融資(Debt)を行っているのと変わらず、しかも、当該事業体から日本企業に対する利益の還元や事業体の収支管理もコントロールできないことから、すべてお断わりしました。

それでも、現地パートナー(インド企業)のロイヤーは、組織内の合弁事業の方が、新たに合弁会社を設立することに伴う外資規制について容易に回避できるメリットがあるとの主張がありましたが、これも脱法行為になりかねないとお断わりしました。
最終的には、合弁会社の設立でなければ、このプロジェクト交渉は破綻(Deal Break)すると申し向けたところ、その後は、スムースに現地合弁会社を設立することが出来ました。

弁護士のコメント

上記のように、合弁設立や海外取引等では、説明とは全く異なる内容の契約書ドラフトが提示されてくることが少なくありません。
インド国に限らず、例えば、資本関係では日本企業側がマジョリティ(過半数)を確保した現地合弁会社の設立であっても、提示された合弁契約書ドラフトの内容を精査すると、現地会社法上の数々の株主権利が当該ドラフトでは否定ないし制限されていることがありますので、注意が必要です。

なお、あくまで個人的な経験の範囲に過ぎませんが、インド人ロイヤーとの交渉は、他国のロイヤーとは異なる特有の難しさがあります。
ミーティングで、昨日、申し合わせた事項も、まったく白紙に戻して正にゼロベースで議論を始めたり、話に纏まりがなく前後左右に行き来しますので、毎回、忍耐強く、整理した議論をするよう心掛けることが肝要です。

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