お問い合わせ
― Contact ―

052-957-6400

   営業時間:平日 9:00〜18:00

【欧州市場を想定した秘密保持契約(英文)】秘密指定を要求すべきかの判断に関して日本企業にフィットする方法とは

依頼内容

日本企業が、今後、欧州に対する海外展開を検討するにあたり、当該国における現地パートナー候補(現地企業)とビジネス可能性(Business Feasibility)を共同で検討するにあたり、まずは、お互いに秘密保持契約(Non-Disclosure Agreement)(“NDA”)を交わすことになった。
その際に、日本企業側として、秘密指定を要求すべきかどうかの判断について適切に対応するとのご依頼内容。

対応と結果

日本企業と海外の現地企業が想定するスキームとしてはシンプルであり、技術力を有する日本企業が製品のノウハウに関する情報を提供するのに対し、現地企業側は、当該国における市場のニーズや既に構築した流通経路や顧客網に関する情報などを提供する、というものでした。

一般的に、秘密保持契約(NDA)には、①秘密指定(=”Confidential“等の表示。いわゆる日本でいうところのマル秘マーク)をして初めて秘密情報として保護すべき法的義務が発生するとする場合(「指定型」)と、②秘密指定(同上)の有無に関わらず、その性質上、「秘密」と理解される技術・顧客・財務情報は、すべて秘密情報として保護すべき法的義務が発生しているとする場合(「非指定型」)、以上①②のとおり大きく分け2つの種類があります。

前者(上記①:指定型)の場合は、当事者間で、何が秘密で、何が秘密でないのか、という点が明確ですので「分かりやすい」という長所がありますが、他方で、担当者間で相互のコミュニケーションが多量化、複雑化してくると管理コストが増大して負担が増えたり、また、うっかり秘密指定を失念してしまう場合がある等の短所があります。

後者(上記②:非指定型)の場合は、その都度、秘密指定しなければならないという煩雑さは回避でき、その性質上、「秘密」と理解される情報はすべて保護されるため、管理コストを圧縮できるという長所はありますが、他方で、やはり、何が「性質上」、秘密と理解されるのかについてお互いに見解に相違があった場合に、事後の紛争リスクを孕むことになります。

日本企業から一定のヒアリングと実務調査を行った結果、日本企業側から想定される技術情報の開示が、質・量ともにそれほど多くないことが分かりました。また、ターゲット市場が欧州諸国であったことから現地国の不正競争防止法等の適用可能性をも視野に入れて、より明確となる上記①の方法を採って頂くことに致しました。

弁護士のコメント

上記案件における秘密保持契約のドラフト交渉においては、これ以外にも、ⓐ成果物が発生した場合の取り扱い、ⓑ最終的に本契約を締結すべき義務の有無(努力義務を含む)、ⓒ秘密情報に該当する場合、契約終了後、何年間は秘密として保護されるべきか等について双方の論点として検討されました。

上記©に関しては、日本企業からの開示する技術情報が、市場において、何年程度で価値を失い又陳腐化すると想定されるか、という観点から慎重に検討する必要があります。

この他、欧州における秘密保持契約に関しては、現地パートナー候補から提供される市場情報、顧客情報等について、欧州GDPRの適用も論点として検討すべき可能性がありますので、こちらは別稿で述べたいと思います。

この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

他の解決事例を見る