【カリフォルニア中央連邦裁判所】未払売掛金の回収と賠償請求裁判
依頼内容
日本国の製造メーカーがカリフォルニアの現地販売店(米企業)をとおして卸売業者に商品を販売していたところ100万ドル以上の代金未払が発生したため、代金回収のため現地訴訟のマネジメントをするとの依頼内容。
対応と結果
本案件は、日本企業が現地法律事務所に依頼して、現地販売店と卸売業者に対してカリフォルニアの連邦裁判所に訴訟を提起したが、依頼した筈の現地の法律事務所ロイヤーが、いったい、何を、どのように処理しているのか分からないというので、弊所において、途中から訴訟マネジメントに入ったという案件でした。
そこで、弊所において、これまでの訴訟手続の進行状況を精査してみると、訴訟手続において提出される訴状(Complaint)、却下申立書(Motion to Dismiss)、答弁書(Answer)、その他証拠書類(Exhibits)等の重要な訴訟関係書類が、殆ど何も依頼者である日本企業の法務部に提供されておらず、また、そもそも当該法律事務所と委任契約書(Retainer Agreement等)が交わされていないばかりか、さらに、依頼していない筈の別事務所のロイヤー2名も一緒に訴訟代理人になって訴訟コストを増加させていることが判明しました。
そこで、弊所から日本企業の経営者会議にて進言させていただき、カリフォルニア現地の法律事務所を別の法律事務所に変えていただきました。
その後は、新しい法律事務所と1カ月に1~2度は訴訟の進捗報告と戦略策定のための定期ミーティングを開催し、言うまでもなく全ての訴訟資料を提供いただき、訴訟コストにもキャップ(上限)をかけて、最終的には、証拠調べ(Discovery、Deposition等)が終了した段階で、法廷(Trial)に行く前に、ほぼ全額を分割払いで返済いただく内容で和解解決(Settlement by Stipulation)いたしました。
弁護士のコメント
いくつかコメントいたします。
まず、アメリカの裁判所は、日本の裁判所のように、ロイヤーが法廷活動を行うのに、依頼者が署名(記名)・捺印した委任状の提出は要求されません。Notice of Appearanceの提出だけで良いのです。そのため、依頼者である日本企業が委任していない筈のロイヤー又は法律事務所が一緒に訴訟活動をしていることがあり、これが無駄に訴訟コストを増加させる原因になっていたりしますので、注意が必要です。
また、日本の弁護士であれば、裁判所に提出した又は相手方から提出された訴訟関係書類は、すべてコピーを依頼者に提供するのが通常ですが、アメリカのロイヤーは必ずしもそうではありません。これらは、積極的にリクエストをした方が宜しいでしょう。
一般的に、アメリカで裁判を提起する場合、又は、アメリカで裁判を提起された場合には、「どのような布陣で臨むのか」という点をよく検討する必要があります。米国裁判に経験値を有する人材が社内法務セクションにいれば良いですが、そうでない場合には、現地法律事務所をコントロールし、訴訟コストを適切に管理し、訴訟全体のマネジメントを行える日本の弁護士に入って貰うことを、強くご推奨いたします。
