【海外取引契約書(英文)】日本製品を海外に輸出するにあたっての貿易条件(Incoterms 2000, Incoterms 2025)
依頼内容
海外取引契約を締結するにあたり、貿易条件を有利な条項にして欲しいとの依頼内容。
対応と結果
本案件は、ドバイ企業に日本製品を輸出するにあたり海外取引基本契約を締結しましたが、その中で、貿易条件をどのように定めるかが主要な論点の1つでした。
ご存知のとおり、インコタームズ(Incoterms)とは、貿易取引において、売主と買主の間で、どちらがどこまでの責任を持つかを明確にするための国際規約であり、パリに本拠を置く国際商業会議所(ICC)によって施行されています。
Incotermsが定める貿易条件には、運賃、保険料、通関費用、積み込み・荷下ろし料輸送費・保険等を輸出(売主)側と輸入(買主)側のうち、どちらが負担するかに関してE型、F型、C型、D型がありますが、代表的な例としては、EXW、FOB、CIF、DAP・・・等があります。そして、日本企業(輸出側)に立った場合、一般的には、上記のうちE型がもっともリスクが少なく、D型がもっともリスクを負うと理解されます。
本件では、弊所のクライアント様である日本企業の法務部が明確に上記の種類・内容について理解しておらず、まず、法務部と経営者会議でその旨のレクチャーをさせて頂いた上、その後、ドバイ企業ロイヤーとの交渉の結果、最終的に、FOB名古屋港で妥結しました。
弁護士のコメント
本案件では、日本製品の輸送ルートがオマーン湾とペルシア湾であることが社内であまり意識されていませんでした。FOB(=Free on Board)名古屋港によって貨物(製品)を名古屋港の本船に積み込んだ時点で、上記の費用(船賃・貿易保険・通関費用等)と破損リスク等が買主(ドバイ企業)側に移転するため、日本企業の側にとってはリスク・ヘッジにつながり、良い結果となりました。
補足になりますが、ある程度、貿易取引の経験値が上がってくると、輸出側であっても、敢えて、C型やD型を採用する方が合理的である場合が出て来ます。即ち、C型やD型の場合には、確かに、輸入者側港までの船賃・貿易保険(・通関費用)等を負担する扱いになりますが、お互いの海外取引契約書において、それらはインボイス(請求書)に追加計上して最終的に輸入者(買主)側に製品代金と共に支払って頂くスキームにしておけばよく、しかも、C型やD型の場合、輸出者(売主)側において、積極的に本船や輸出ルート、貿易業者を選定し、コントロールできるメリットを享受できたり致します。
