【販売代理店契約書(英文)】米国アプリ開発会社との日本国内代理店契約
依頼内容
米国の会社がアップル社用の携帯電話アプリケーション(以下「アプリ」といいます。)を開発し、これを日本企業に代理店に指定して販売するという販売代理店契約をリーガルチェックすると共に、交渉を担当するという依頼内容。
対応と結果
まず、例によって膨大且つ複雑な販売代理店契約書フォーマットが提供されてきており、そもそも、日本企業の経営者も法務部もスキーム自体を理解できていないという状況からスタートしました。提示された契約書のストラクチャーを説明しつつ、特に、サブスクリプションと課金部分において、米国企業の説明と日本企業の理解に大きな齟齬がありましたので、その齟齬(Discrepancy)を解決すべく、米国側ロイヤーと相当な回数の交渉を行ってお互いの認識の不一致を解消しました。
その他、日本国市場では非独占契約であるのに、最低販売数量が定めてられていたり、しかも、最低販売数量を達成しないと解除権ばかりでなく損害賠償の権利まで規定する条項がありましたので、「著しく実務に反する」として全て削除して貰いました。
弁護士のコメント
2つコメントいたします。
1つ目は、事前に経営者どうしのビジネス交渉では、お互い、総論的な部分で合意や申合せができていたとして、その後、実際に契約書フォーマットが提示されると、条項にいろいろな制限や条件付けをされて想定する利益を獲得できない内容になっていることが少なくありません。しかも、日本企業の法務部にはアメリカ人ネイティブが社員としていましたが、英文契約で使用される法律用語は非常に難解であるため、十分に理解できていませんでした。当たり前のことですが、まずは、契約内容に何が記載されているのか、その意味を十分に理解・検証することが肝要であり、この点は、やはり海外契約書に知見のある専門家に診て貰うことが大切です。
2つ目は、ご存知の方も多いと思いますが、海外の契約書には、完全合意条項(Entire Agreement Clause)が入っていることが非常に多いです。契約の主題(Subject Matter)に関する事項(商品や代金算定等を含む)は、どれだけ事前に口頭・書面・Eメール等でお互いに合意や申合せをしても、契約条項に記載されない限りは、すべて排除されてしまいます。つまり、契約に記載されずに存在しないものと扱われますので、十分な注意が必要です。
